春になるとスギ花粉症に悩む人が増えています。
花粉症と無縁だった人が、ある時から突然花粉症に悩まされることも少なく
ありません。
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| こういった時期は、肌も非常にデリケートな状態にあります。
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| ある種の食品が原因となったり、ホコリ、ダニ、その他空気中の様々な浮遊
物が原因となったりして、アレルギー性皮膚炎が増えてきます。
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| また、化粧品のある種の成分が原因のアレルギー性接触皮膚炎も発生しやす
くなります。
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| 化粧品の成分が直接的な原因でなくても、過度のお手入れや摩擦などが刺激
となって皮膚炎をおこすこともあります。
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| こういった症状は、私たちの生活環境の変化や体質・体調の変化なども影響
しています。
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| これまで皮膚トラブルと無縁だった人でも（化粧品を変えたわけでもないの
に）、突然、カユミやカブレなどが発生し、肌の調子が悪くなることがあり
ます。
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春になると、体の新陳代謝が活発になり､ホルモンの分泌も盛んになりま
す。
また、皮膚表面では、皮脂や汗の分泌も増えてきます。
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これは、寒い冬から暖かい春へと季節が変わっていく中、体そのものが外部
環境の変化に対応しようとするためです。
体調が一種の緊張状態にあり､皮膚も含め体そのものが敏感になっていま
す。
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| 春になると、カブレや吹き出物などのトラブルが発生しやすいというのは、
こういった体調の変化に関係しており、皮膚が外界の異物に反応しやすくな
っているためです。
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| さらに、肌の状態が外界からの異物や刺激に対して敏感になっているところ
へ、肌の大敵「紫外線」もどんどん強くなってきますので、スキンケアには
細心の注意が必要です。
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それでは、どのようなメカニズムで肌トラブルが発生してしまうのでしょう
か。
そして、その肌トラブルを防ぐためにはどのような点を注意すればよいので
しょうか。
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肌トラブル発生のメカニズム
重要なのは角質層の状態
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本来、皮膚には、紫外線や汚れ、肌に害を与える異物など外的刺激から肌を
守るバリア機能があります。
皮脂膜にもそういったはたらきがありますし、特に重要なのは皮膚の一番外
側にある僅か0.02ミリほどの薄さしかない角質層です。
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| 皮膚の最上層である角質層は、活動を停止した細胞が20層ほど重なり、その
細胞と細胞の間にＮＭＦ成分などの保湿成分や細胞間脂質が存在します。
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| ちょうどレンガを20段ほど交互に積み上げ、そのレンガとレンガの間にＮＭ
Ｆなどの保湿成分や細胞間脂質が、まるでセメントでレンガを固定するかの
ように存在しています。
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| レンガが整然と並んだ状態では、肌表面は潤いがあり滑らかです。
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| しかし、所々でレンガがめくれ上がり、ＮＭＦ成分や細胞間脂質が不足した
状態になると、角質層の層構造は崩れ、肌はかさつき、滑らかさが失われま
す。
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| 角質層の構造が崩れると、バリア機能は低下し、その隙間から刺激物質や異
物が進入しやすくなります。
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| こういった刺激物質や異物が侵入してくると、皮膚（表皮）の免疫細胞は、
カラダを守るために攻撃を始めます。この攻撃が肌表面ではカブレや炎症な
どとなって現れます。
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| 特に春先は体そのものが敏感な状態にありますから、こういった現象が発生
しやすくなります。
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| また、こういった刺激物質や異物の侵入に対応するために、表皮最下層の基
底層では、どんどん新しい細胞をつくり角質層を修復しようとします。
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| 急ピッチで修復しようとするために、普通はほぼ２８日間で行なわれる新陳
代謝（ターンオーバー）の周期が、急激に短くなってしまいます。
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| 短期間で角質層へ押し上げられた細胞ですから、形も機能も不完全な角質細
胞が角質層に並ぶことになってしまいます。
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| これでは、レンガブロックを積み上げたように角質細胞がきちんと並ぶはず
の角質層の構造はますます乱れてしまいます。
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| このようになると、皮膚はますます乾燥し、角質層のバリア機能はさらに低
下、さらに新陳代謝（ターンオーバー）が乱れ不完全な角質層を構成すると
いう悪循環に陥ってしまいます。
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| 刺激物質や異物も侵入しやすい状態というのはそのままですから、慢性的な
皮膚炎となってしまうこともあります。
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角質層を健全に保ち肌トラブル防止
ポイントはやさしい洗顔
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| こうして見てくると、春の肌トラブルを防ぐための最大ポイントは、「角質
層を健全に保つ」ということになります。
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| そのためには、「肌に対する刺激を極力少なくすること」と、「角質層の水
分を十分に保ちバリア機能を正常に保つこと」を心がけたスキンケアが大切
になってきます。
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特に重要なのは、日々のクレンジングと洗顔です。
クレンジングや洗顔によって、皮膚表面に付着した様々な刺激物をきれいに
取り除くことです。
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皮膚表面に付着した刺激物というのは、
汗や皮脂（時間の経過とともに変質します）、
空気中のチリ・ホコリ、雑菌、
ある種のアレルギーを発生させる物質（花粉など）、
排気ガス、メイクアップ料・・・
さらには最近問題の化学物質を含んだ黄砂など実に様々です。
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| こういった皮膚の付着物を取り除き、皮膚に与える刺激を極力少なくするこ
とが大切です。
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| ただ、注意しないといけないのは、洗顔によって皮膚に付着した刺激物を取
り除くことは必要なのですが・・・
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| このときに、洗浄力が強すぎる洗顔料を使用したり、肌を強く擦るような洗
顔を行なったりすると、肌に刺激を与えたり、角質層を傷つけてしまったり
して、肌にとってマイナス効果です。
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| 先に述べましたように、角質層が損傷を受けると、その保湿機能やバリア機
能が低下し、刺激物や異物が侵入しやすくなります。その結果、カブレなど
肌トラブルが発生しやすくなってしまいますので要注意です。
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| クレンジング剤や洗顔剤は、作用の強い界面活性剤などを利用したものは汚
れ落ちはよいのですが、同時に角質層の機能まで低下させてしまいます。ま
た、界面活性剤そのものの刺激も心配です。
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| なるべく、肌に対して馴染みの良い成分でつくられた製品がよいでしょう。
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| クレンジングの際は、クレンジング剤をメイクアップ料など肌の付着物によ
く馴染ませること、ただし、決して強く擦らずにやさしく馴染ませることが
重要です。
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| 汚れが馴染んだクレンジング剤は、きちんと洗い流してください。
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| それでも、クレンジングの油分が肌表面に若干残りますので、洗顔剤をよく
泡立てて水またはぬるま湯で洗い流します。
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| 洗顔の際は、体温より若干低いぬるま湯を用い、低刺激の洗顔料で決して強
く擦らずに行なうことです。
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| 擦らないためには、よく泡立てて、泡でやさしく汚れを落とすことです。
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| また、洗顔料が皮膚表面に残らないように、十分にすすぎを行なう必要があ
ります。
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| すすぎの後のふき取りも、やわらかいタオルなどで、おさえるように（決し
て擦らずに）行なうよう注意してください。
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| 化粧水で水分を補給するとともに肌を整え、そのあと美容液・乳液・クリー
ムなどで、水分を逃がさないように肌を保護してあげるなど、保湿対策をし
っかりと行ないましょう。
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| 保湿対策というと、化粧水・美容液・乳液・クリームなど、いわゆる与える
スキンケアについては誰もが高い関心を持っていますが、保湿対策の前提と
なるのは、肌本来の保湿機能を守ることです。
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| 日々の正しいクレンジングや洗顔が、保湿対策としてはもちろんのこと、ス
キンケアそのものの基本とも言えます。
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健やかな肌状態を保つには
スキンケア以外の対策も！
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| 春先に、皮膚炎など肌のトラブルが多くなるのは、体そのものが敏感になっ
ていることが大きな要因でもあります。
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| そういった敏感な状態に、花粉であったり、空気中の浮遊物（化学物質を含
んでいたりします）であったり・・・
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| こういったものが原因となって、様々なアレルギー症状を発生させたりしま
す。
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黄砂とは、東アジアの砂漠地域や黄土地帯から強風によって大気中に舞い上
がった黄砂粒子が浮遊しつつ降下する現象のことで、以前は春先に西日本や
日本海側で多く見られる現象でした。
しかし、最近では東日本まで黄砂が飛来してくることも多くなり、黄砂によ
る被害は全国的に広がりつつあるようです。
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| 黄砂による被害は、洗濯物や車が汚れるといった物理的な被害はもちろんの
こと、最近では黄砂に付着した化学物質の影響で健康被害も増えてきていま
す。
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| 喉、鼻、目の不調、さらには、花粉症、喘息、アトピーといったアレルギー
疾患の悪化も見られるとのことです。
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| なにしろ、黄砂の粒子は、スギ花粉よりもかなり小さいということですし、
この粒子には硫黄化合物や窒素化合物といった化学物質が付着しているとい
うことですから、人体に及ぼす悪影響が心配です。
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肌との関係からも、もちろんマイナス要因です。
黄砂の飛来により、こういった化学物質が肌に付着してしまうわけですか
ら、肌に悪影響を与えないように、スキンケアが一段と重要になってきま
す。
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| それでも、こういった化学物質の付着した黄砂の粒子、さらには花粉、その
他空気中の様々な浮遊物は、目、鼻、口などから体内に入ってくるわけです
から、体そのものの免疫機能により様々なアレルギー症状が出やすくなって
きます。
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| この状態というのは、体そのものが外界からの侵入者に過敏に反応する状態
ですので、肌も外からの刺激にたいへん敏感な状態となっています。つま
り、皮膚トラブルなどが発生しやすい状態であるわけです。
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対策としては、スキンケアだけでは対処できない面があります。
やはり花粉症などの対策と同じように、とにかく黄砂をはじめとした空気中
の浮遊物の付着や吸い込みを防ぐこと、あるいは付着した場合は早めに落と
すことです。
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| 外出時にはマスクをして、こういった空気中の浮遊物をできるだけ吸い込ま
ないようにすることも必要ですし、帰宅したら、うがい、手洗い、洗顔、さ
らに念を入れるなら、外出時の服は洗濯、入浴もなるべく早くした方がよい
でしょう。
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| また、用心していても、黄砂、花粉、チリ・ホコリは室内へ侵入してしまう
ことがありますで、部屋の掃除も重要です。掃除の際は、掃除機だけでは不
十分で、黄砂が飛散しないように、拭き掃除も必要です。
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| いろいろとやることが多くてたいへんですが、こういったアレルギーの原因
物質をとにかく吸い込まない、付着させない、付着したら早めにきれいに取
り去るということが大切です。
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